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トピックス! 認知症徘徊老人の踏切り事故損害賠償の控訴審判決に思うこと 

2014年度6・7月号の名古屋YWCA機関誌より

認知症徘徊老人の踏切り事故損害賠償の控訴審判決に思うこと

認知症で徘徊していたお年寄りが
列車にはねられ死亡し
一審でJRに720万円の損害賠償を支払うように
家族に求めた判決に対して、

4月24日、名古屋高裁は
自宅で介護をしていた妻に監督責任があったとして
350万円の支払いを命じた。

請求額が半減したとはいえ
「この判決では家族が介護をやってられないという思いを募らせてしまう」と
“認知症の人と家族の会”の代表者のコメントが新聞記事にあった。

介護施設のS氏は県職の幹部まで務めたエリート。
職員に顎と指先で指図をする。
私達職員は皆プロとして心得ているがそれでも時々イラッとくる。

在宅では24時間、365日緊張の連続なのである。
保護監督責任をおしつけられた妻も
六年間の介護生活のはて、
ほんのつかの間のうたた寝の間に
夫が出て行ってしまった。

家族の負担を思うと、
いくら政治家や官僚が「在宅」を謳っても
介護を引き受けたくないだろう。

認知症高齢者の徘徊による行方不明者は年間1万人、
内500人程が死亡している。

地域で見守るという社会の流れが反映されず、
在宅介護が政策として
勧められている時代に有って
現実と大きくかけ離れた判決だとおもう。

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